備品管理業務
備品とは何?
備品管理は事務員の仕事内容の一つです。
備品管理とは業務で使う物を保管し、在庫管理と発注を行う業務になります。
その備品管理、私は勘違いをしていました。
正式な備品と言われるものは『耐久年数1年以上の10万円から20万円までの長期間その形状を変えずに繰り返し使用できるもの』ということのようです。
什器備品という項目が勘定科目にありますが、その部分が正式な備品ということのようです。
私が備品管理と思っているものは全く違っていますし、思っていた備品よりはるかに多い範囲が備品に該当するようです。
しかし、普段私たちが備品と呼ぶものは主にデスクワーク周辺で使われるものです。
正式な備品を含め、私たちが普段備品と思い込んでいた備品をまとめて考えてみると以下のようなものが備品として思い浮かびます。
- レンタルやリースで使われているオフィスや工場の什器、車・トラックなど
- 製品を作る過程で必要となるネジなどの備品や作業服
- デスクワークで使うパソコンと周辺機器
- ノートやペンなどの文房具
- デスクや椅子などの什器備品
- 来客時にも出されるお茶やお菓子 など
思いつくもの思いつくものを少し書き出してみましたが、これらみんな備品の対象になるようです。
”工具器具備品”にあたるものから”リース関係”、”消耗品”に該当するものまで多方面に亘るということです。
事務員の中には正式な意味の備品の管理をしている事務員も少なからずいるとは思いますが、今回多くの事務員が一度はやったり触れたことのあるオフィス周辺の消耗品系備品管理の方法について触れてみたいと思います。
消耗品系備品について
消耗品系の備品管理と一言で言っても、量を多く確保する必要のあるものから少量でも管理しておかないといけないものいものまであります。
大切なことは必要な物を必要なだけ定位置においておくことと、発注するタイミング、捨てるタイミングはいつかという点ではないでしょうか。
再度オフィスで使われる備品について
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- 事務で使われる事務消耗品(PCと周辺機器、文房具類)
- 来客時などに出されるお茶(茶葉)や水
- 掃除用洗剤やスポンジ・たわしなどの日用品系消耗品
- 防災用食品・備品
officeで使われる消耗品系の備品は思いつく限りこのようなところではないでしょうか?
期限のあるものから保管が目的のもの、その備品の重要度もまちまちです。
種類が多いだけに備品管理は意外と大変です。
備品管理はどのようにするべきか
備品はいつでも補充できるように多く確保しておけばいいというものではありません。
長く保管していても問題ないものから期限のあるものまで多種あります。
それらを管理するのはファイリングの時のように一つの流れ・方法だけでは無理がでます。
管理方法の無理は発注ミスに直結しますし、ルールを決めておかないと無駄な作業が増え、在庫を切らせるもとになります。
事業所で使われる多くの消耗系備品を管理することはとても重要ですので、無駄な作業をできるだけ省いてミスなくスムーズに保管から発注までを行いたいものです。
備品管理の手順
もし備品で雑多になっていたら
多くの在庫を抱えると保管場所が複数に跨り、在庫の数を把握できなくなります。
まだあるのに発注してしまうリスクも付きまといます。
1,まずは在庫の整理を行います。
多すぎるものの中で必要なくなったものはすぐに捨てましょう。
インクなどは期限がありますので注意しましょう。
インクは未開封でも長時間放置しておくと乾燥して量が減ったり固まったりしていきます。
保管していたボールペンについても期限はついていませんが、そういった理由から過剰保管はおすすめしません。
こういったものは期限が近づいてきたら、使えなくなったら迷わず捨てましょう。
2,次に備品を分類します
備品を分類する方法としては種類別に分ける方法や使用頻度に応じて分ける方法などがあります。
通年を通して使用するもの、季節もの、期限のあるもの(特に食料品や災害用備蓄品など)もあります。
備品の種類の分け方はそれぞれの職場環境によっても違ってきますので、その備品の特徴と使う職場に合ったベストな分類方法で分類を行うといいでしょう。
分類する際は、作業前には分類方法を決めておきましょう。
3,保管場所を確保し、定位置を決めます。
職場によってベストな定位置があればいいのですが、なければ後々困らないためにも作っておかなければいけません。
複数箇所にわたって保管してしまうのは定位置が決まっていないからです。
また、定位置を決めたらそこから移動させないようにしましょう。
以前、在庫の数が多い時少ない時で、その都度棚を入れ替えていたことがありました。
大変面倒です。
保管場所、棚番地を決めておかないと、探す手間や余分な発注をする作業が増え、大変非効率で時間やコストの無駄が多くなるのは想像できるでしょう。
在庫の定位置を決めたら、以降移動しなくていいように最大数が置けるスペース(少しの空き)は確保しておきましょう。
保管場所についても職場環境で違いますので、それぞれのベストな方法を選んで保管するのがいいでしょう。
4,ラベリングする
ファイリングやPC整理の際にもありましたが、備品管理についても最も重要な作業になります。
備品管理は、不足しないために発注を行いますが、保管しておく個数も単位も違います。
ラベリングの際、それらが一目でわかるようにしておくことをお勧めします。
無駄のない発注をするためにラベリングは重要なのです。
そのラベリングの方法の一つを次項で紹介しますので参考にしてみてください。
5.備品管理台帳を作り、一覧でを出力、管理できるようにしておく
ラベリングしたものを一覧管理、出力します。
PCの他に紙でも管理することで、発注の時期を目視で確認きます。
多くの人が介在するとPC管理だけでは難しいと感じます。
だれが申請しどの担当が発注し、棚番地に置かれたか?
用紙出力したものは書き込めるような一覧を作り出力しておくのをお勧めします。
発注の方法とタイミング、かんばん方式について
発注方法にはどういったやり方がある?
1.定量発注 残りの在庫が一定数(発注点)以下になったら発注する方法
2.定期発注 毎月1回〇〇日に発注する方法
3.簡易発注 ダブルピン方法/補充方法
- ダブルピン方法 同一の備品に対し2つの在庫場設け、一方がなくなったら発注
- 補充方法 一定量使用したら発注
他にも発注方法はありますが、主に事務ではこの3つ(5つ)の方法をとっていることが多いのではないでしょうか?
備品の発注方法一つで過剰在庫や在庫切れを防ぐことにつながりますので、そのような状況が起こりやすい場合は、発注方法の再考する余地があるかも知れません。
ラベリングする際のお助け『かんばん方式』
余剰発注や在庫切れを起こさないためのお勧めのラベリングがあります。
トヨタの『かんばん方式』を事務用に応用した方法です。
一枚の小片紙に以下の物を書いてそれぞれの保管場所に貼っておきます。
・発注点を決める
発注点とは発注を行う際の基準在庫数の事で、備品によってそれぞれ決めておくといいでしょう。
・発注する際の発注数 発注点に達したらどれだけ発注するか書いておきます。
・発注する際の単位 ”ケース”で発注、”包”で発注などがわかるように書いておきます。
・発注先はどこか どこに発注するかすぐにわかるように書いておきます。
・品番(型番)と品名 これもすぐに発注できるように書いておきます。
・どこに保管するか
保管物と一緒に貼られるのでどこに保管するかまでは意味のないもののように思いますが、備品管理台帳を記載するときにも必要になってきますので、一括りとして記載しておくといいでしょう。
これらを小片紙にすぐに書き込めるように印刷して切断し、棚番地に貼ります。
新しい備品ができても同じように書き込んで保管・管理します。
発注点に達したときに使用した人が申請ないし発注し、その旨を管理台帳に記します。
管理台帳で申請を確認したら、担当者は発注管理を行うのです。
『かんばん方式』では管理しずらい短期期限物
しかし、トヨタの在庫管理方法ではどうしても管理しきれない種類のものがあります。
短期限のあるもの、特に期限のい普段使い用のお茶や水などです。
期限が短いだけにかんばん方式よりはその都度発注する簡易発注がいいでしょう。
小さい事業所などではスティック砂糖などのように一包100個などで購入するものはダブルピン方式などでもいいでしょうし、備品によっては補充方式でも十分かもしれません。
複数個ある場合、ケースの手前に直近物を遠くに行くほど余裕のあるものを置いておくといいでしょう。
必ずしも新たに購入したものが最後の日付になるとは限りませんので、入れる前に一度確認してからケースに保管をお勧めします。
普段使いでない災害用備蓄食品について
こちらは頻繁に気にする必要はありませんが、一般使いでないだけに期日が過ぎているのに気が付かないことがあり得ます。
食品や乾電池など一年に一回は期限が近づいていないか確認しておく必要があります。
また期限物でない災害備蓄で、中古品の物がある場合、しっかり使えるかも確認しておくことをお勧めします。
消耗品系の備品管理は細かいものが多いため管理が大変かも知れませんが、管理の参考にしてみてください。
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